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Restaurant NIPA-HUT (ニパ・ハット) 福富町 フィリピン料理

世の中には入りにくい店というのがある。
入りにくい家は、門に猛犬注意とかの貼紙があるとか、玄関に菊の御紋があるとか、昔一家無理心中があったとかの何らかの理由がある。

普通、お店っていうのは入ってもらってなんぼの世界なので、入りにくいということは通常ありえない。
偉く高そうな構えの店はともかく、胡散臭そうなビルの中の…特に2階以上にある店は、一般の客を拒むには十分のロケーションだと思う。
横浜の福富町や若葉町にあるビルは99%がこれだ。
そこに入ろうとする客がいたら顔を見てみたい。



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で、今日も福富町に友人と出没した。
フィリピンの家庭料理を食わせる美味しい店が胡散臭いビルの3階にあると、フィリピンパブで知り合った可愛いジェニファーちゃんと美形なアイリーンちゃんに教わった。
誘ったら、”オミセオワタライクヨ”と言われたので先に出かけた。


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店名をRestaurant NIPA-HUTという。
ニパ・ハットと読むのだろうか。
ニー・バットだとプロレスの技だ。
ジャンピング・ニー・バットだとさらに強力である。
伊勢佐木通りの一本裏通り、一階は、「レーロイ」というベトナム料理で有名な店だ。
酔っ払ってよくフォーを食べる。
ベトナムの上にフィリピンがあるという地図とは逆だ。
こんな所にあったとは。

うーん、エレベーターホールというか、エレベーター前というか、3Fだよとの表示がある。
何も書いてないので、これじゃ一見の客は絶対に入らないだろうな。
ジェニファーちゃんやアイリーンちゃんの紹介でもかなりビビる。
酔いが覚めた。



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3階に着くとドアがあった。
一応張り紙には”暴力団お断り”とある。
僕は上品なお坊ちゃんタイプだが、友人はそのスジのモンそのものである。
大丈夫だろうか。
また、こう書いてあっても、入った焼肉屋でそのスジのおニイさんたちがたくさんいたという経験がある。
あの時は、緊張のあまり、骨付きカルビの骨は飲み込むは、ナムルのゼンマイは咽喉に引っかかるは、ユッケジャンは器ごと落とすはで…「あんた平気?」と逆におニイさんたちから心配してもらった。



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中に入ると左にトイレや厨房があり、奥がカラオケバーのようになっている。
カウンターには、オバサンとオネエサンの間くらいの女性が一人。
オジサンとオネエサンの間くらいは、はるな愛だ。
夜と朝の間は、ピーターだ。
画面では、タガログ語のドラマをやっていた。
彼女は、ミンダナオ島の出身で、沖縄で長く働いていたそうだ。
横浜には10年。
日本で稼いだので、故郷の海の近くに土地と家を買ったそうだ。
いずれ国に帰って、海岸の近くに両親と住み、趣味の乗馬を楽しむのだと。
そんな話をしながら、お薦めを尋ねる



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しかし、まずはビールだ。
左が定番のボッテリしたサンミゲル。
フィリピンにはこのビールしかないのではないかと思うほどの国民的ビールである。
香りとコクがあるのにスキッとしていて飲みやすくて美味いのだ。
右は、ライト。
アルコール度数は、サンミゲルと変わらないのに、炭酸のような口当たり。
普通の方が美味い。



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さて、本日の一品目。
お薦めの揚げ春巻き。
ただの揚げ春巻きではない。
1,200円だ。
ではなく、豚肉にたくさんの野菜が混ぜ合わせてある。
セロリやニンジンなどだ。
香りが良くて味わい深い。
肉って感じの肉の味もする。
スイートチリソースに付けて食べるようだが、僕は魚醤の方が好きだな。



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これはこの店のウリの料理だ。
KAREKAREというフィリピンの代表的な料理だ。
1,500円。
カレーではなく、照れくさいが僕のことでもなく、韓国の美少女グループでもなく、ハチノスのピーナッツバター煮である。
まったく、異質の取り合わせですまん。
ハチノスとは蜂の巣ではなく、牛の第二胃のことだ。
形状が蜂の巣に似ているのである。
ただ、それ以外にも、牛の様々な部位や内臓が入っているし、青梗菜や青菜などの僕の嫌いな野菜もたっぷりだ。
独特な風味でかなりの薄味。



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で、これを入れるのである。
これは、アミというエビに似た甲殻類の塩辛というか佃煮みたいなもの。
これを入れるとバコーンと一気に味が変わる。
草を食む牛さんの農場と野菜畑を渡る風に、フィリピン東沖で発生した台風で漁師町の方から風が逆に吹いてきて、入り混じって混沌とした状態となったような複雑な絡みだ。
評価は分かれると思うが、僕は嫌いではない。
ちなみに、アミの塩辛は、「バコーン」という。
これだけでチビチビと酒が飲める。



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で、彼女がカラオケがあるという。
じゃあ、ご一緒にということで、英語しばりとなってしまった。
ちなみに、
Beatles Rolling Stones  Beach Boys Carpenters  Bon Jovi  Lady Gaga Eagles Queen  Boz Scaggs  Elton John 
Carole King  Neil Young 鳥羽一郎
とコマーシャルな曲ばかりだが、彼女とともにバコーンと歌って、サンミゲルもガンガンと飲ってしまった。
気づくと夜も更けた。
料金は、二人で何と暴力的に安い7,000円。
驚き。
ほとんどは、ビールビンの山となったサンミゲル代だ。
当たり前だ。
まじめなフィリピン料理のレストランにカラオケがあるだけなのだ。

ジェニファーちゃんとアイリーンちゃんはついに来なかった。


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レストラン ニパハット




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Author:chromodoris
ダイビングと海遊び、街歩きとグルメ、自然観察と庭いじり、魚釣りと素人料理、そして映画と音楽の日々。プレ前期高齢者が日々に翻弄されながら、人生の仕舞に向けての彷徨いを綴ります。

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