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酒亭 ばんから  京都先斗町 居酒屋

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昔々、昭和39年頃、正に第1回東京オリンピックの年に「お座敷小唄」というとてつもなく変な歌が流行った。
知っている人は知っているという、松尾和子&和田弘とマヒナスターズというのが唄っていた。
その頃、 松尾和子なんてスゲー婆ァだと思っていたが、当時まだ30歳前だったという。

今自分もかなり年齢を追い越して、結構綺麗だったじゃんと思えるようにもなり、喜ばしい限りではあるが、年は取りたくないもんである。
ちなみに真昼間、台湾の街中の裏路地にあるカラオケ屋から、爺さん婆さんが台湾語で歌うこの歌が流れているのを聞いたことがある。
「再会」とかの良い曲も歌ってたよな。
で、その「お座敷小唄」の歌詞だが、
  富士の高嶺に 降る雪も
  京都先斗町に 降る雪も
  雪に変わりは ないじゃなし
  溶けて流れりゃ 皆同じ
というどうしようもなくシュールで、特に、「ないじゃなし」なんていうと有るのか無いのかサッパリ分からなく、ますます混迷が深くなるものだった。
で、歌詞にある先斗町は「せんとちょう」でなく「ぽんとちょう」と読む。
狸のような腹の出た客と厚化粧の芸鼓が化かしあうので、「ぽんたちょう」とも言う。
嘘である。
先斗町という花街を舞台にした客と芸妓とのお戯れの歌詞なのであるが、その先斗町。




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先斗町は、新旧の飲み屋がひしめき、毎夜日本人や外人さんで賑わいを見せる一大観光地となっている。
で、そこの路地を入ったところに、素晴らしい居酒屋がある。
酒亭ばんから。




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どれ、ちょいと粋な暖簾をくぐろうか。




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まずは突き出し。
魚の煮凝り、豆腐、魚のミンチの焼き物・要はハンバーグだな。
味付けが実にいい。
関東の多くで味わうメリハリの効いた塩辛さや旨味ではなく、そこはかとない。





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最初の酒は、佐賀県は天吹酒造の「天吹 純米吟醸 雄町」。
実に美しい酒だなあ。
香りといいキレといい、本当に美味い酒だ。
昔、よく浅草の「酒の大桝・本店」で買って帰って大事に飲んだもんだ。
ちなみに、九州っていうと芋焼酎と言う人が多いが、上(北)の方は良い日本酒を造っているところが多い。
中ほどは麦焼酎。
下に行って芋焼酎となる。
芋焼酎は、薩摩の田舎者が飲む酒である。
あんなもんの中にレアものとかいって、魔王だの伊佐美だのを有難がって高い金だして飲むヤツの気が知れない。
ということを、ガキの頃からブレずにしつこく言い続けて、僕は何度、多くの薩摩出身の田舎者と喧嘩したか分からない。
会津贔屓の僕としては、薩摩と長州は大嫌いなのである。
薩摩憎けりゃ焼酎まで憎い。
だいたい西郷のように、二度も自殺しようとして助かり、挙句、戦争を引き起こして自分の死場を求めるかのように将来ある若者をごまんと犬死させた、また、流刑にされたとき親切にしてくれた奄美大島の人たちを蔑んだ自分勝手な馬鹿を崇拝している、ここの出身者とは肌が合わない。
芋焼酎は、酒なのでそんなには嫌いではないが。
薩摩御出身の皆様、戯言と思って無視してくだされ。




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鱧の落とし。
新鮮さが命のこの魚、実にシャキシャキとしてほっこりとして、コクがあって美味い。
関東ではまともな鱧を食べたことがないので、京都に来ると三度三度毎食に食べているな。




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鯛の昆布〆め。
美味い魚を昆布の味で〆れば、更に美味しくなるに決まっている。
文句なしの美味さです。
僕は関東出身で、小さい頃から鯛より鮃を食べてきて、未だに鮃の独特の香りが好きだ。
鯛を食べるようになったのは、就職をしてから。
父親も鯛は焼く以外には使わなかったな。




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京の地酒を。
「神蔵 純米 無濾過生原酒」。
京都は、左京区吉田河原町の老舗造り酒屋「松井酒造株式会社」の酒である。
端麗で香良くキレのある酒だ。
いけるねえ。




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万願寺。
京野菜のししとうがらしである。
独特の甘みがホッとする美味しさなんだよね。
野菜嫌いの僕でも、酒の肴に選んでしまうのである。




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京小蕪のあんかけ。
ほっこりとする味。
出汁も上品で美味い。





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では、出羽は鶴岡の冨士酒造株式会社が贈る「栄光冨士 純米吟醸 朝顔ラベル 限定品」。
香りが高く酸が少ないという特徴を持つ、協会10号酵母を使った酒で、非常に上品でフルーティ、バランスの良い美味い酒だ。
この店、何飲んでも美味い。
素晴らしい。





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これ鰈である。
京都では「エテカレイ」、和名は「ソウハチガレイ」。
カレイって独特の臭いがある。
それを新鮮なうちに手早く捌き干すことによって、風味の良い匂いに変えるのだ。
京丹後の名産でもある。
肉が盛り上がっていて品の良い脂があって、良い香りのする実に美味い干物だ。




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へへへ。
せっかくだから、銀鱈の西京漬け。
大型の深海魚で、今や高級魚である。
鱈というよりもホッケに近い種で、脂がある。
活け専門で東京白金の御屋敷町で魚の引き売りをやっていた死んだ親父は、横浜で魚屋の店を出した当初、この魚のことはよく知らなかったらしく、お客さんに言われて仕入れてくるようになった。
店に並べてからも、こんな脂ぎった魚と言って、自分では絶対に食べなかった。
その割には、糞のような養殖のハマチはたまに食べていたが。
僕も、親父の影響でこの魚は食べなかったが、大人になってから西京漬けや煮付けを食べてみたりして、結構この魚を気に入ってた。
今でも、銀鱈の西京漬けは大好物。
大根卸しを添えてあるのは頷ける。



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京都の夏はこれなしには語れない。
琵琶湖の稚鮎の天婦羅。
美味いねえ。
上品な脂があるねえ。
香ばしい香りがいいねえ。
カラッと揚がっており、美味いものを上手く調理するとこんなに美味くなるという手本のような天婦羅だ。
酒が進むねえ。







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〆はちりめん山椒のご飯。
幸せとはこういうもんだねえ。

本当にこの店、一切の手抜きがなく、肴は美味しいし酒も美味しい。
料亭に勝るとも劣らない素晴らしい店だ。
京都の昼は「菊乃井」で、夜はここしかないと思う。
フフフ、本当はまだ隠し玉はあるが。

始めは愛想のなかった店主だが、だんだん打ち解けてきて、子供さんの話までされて盛り上がった。
京都で食べ物がおいしいのは冬ですよ、ぜひその時に又いらしてください
との言葉に、
絶対に又来ますよ
と店を出た。
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プロフィール

chromodoris

Author:chromodoris
ダイビングと海遊び、街歩きとグルメ、自然観察と庭いじり、魚釣りと素人料理、そして映画と音楽の日々。プレ前期高齢者が日々に翻弄されながら、人生の仕舞に向けての彷徨いを綴ります。

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